生活習慣病をはじめ、高齢者がかかりやすい病気の治療にはさまざまな場面で二択が現われる。
たとえば、関節の痛みを解消するには「接骨院(整骨院)」と「整形外科」が選択肢に入るが、「腰痛」に適しているのは整形外科だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が指摘する。
「腰痛の原因は椎間板ヘルニアや狭窄症といった腰の病気だけでなく、膵臓がんなど、より深刻な内臓系の病気によって発症した可能性があります。
接骨院の施術者は医師ではなく柔道整復師のため、これらの病気かどうか検査を行なえませんが、整形外科ではMRIやレントゲンなどを用いて原因を調べることができる。まずは整形外科を受診すべきです」
整形外科で腰痛の原因が判明した後、接骨院を訪れるのも手だ。秋津医院院長の秋津壽男医師がいう。
「整形外科の診断で腰に原因があるとわかって慢性的に痛むようなら、痛みを緩和するために接骨院が活用できます。特にひどい神経痛の場合、消炎鎮痛剤では痛みを抑えきれないケースがあるため、“痛み対策”として接骨院で補助的な施術を受けてもいいでしょう」
整骨院の場合、日常生活で生じた腰痛は保険適用外となる。
※週刊ポスト2019年1月11日号