年齢を重ねるほど免疫力が低下し、インフルエンザの脅威が増す。予防接種をしてもインフルエンザに罹患することはあるので、「打っても意味がない」と言われることもあるが、実際には接種すべきなのか、接種しなくてもいいのか。秋津医院院長の秋津壽男医師は、「絶対に受けるべき」と強調する。
「インフルエンザは原因となるウイルスにいくつかの種類があり、毎年その年に流行するウイルスを予想してワクチンを決めます。
以前は予想が外れることも多かったが、現在は9割以上の精度で的中しています。確かに予想が当たってもワクチンの効果は100%保証されませんが、60~80%の人には効くとされる。かなりの高確率なので、接種すべきです」
厚労省が65歳以上の高齢者に行なった調査(2001年)では、予防接種を受けずインフルエンザに感染した人の34~55%は、予防接種を受けていれば、感染を防げたと推計されている。
また予防接種を受けずインフルエンザに感染して死亡した人の82%は、予防接種を受けていれば死亡せずにすんだとしている。
ただし、接種の回数は「1年に1度」で良いと秋津氏が続ける。
「ここ数年、ウイルスの種類が変わっておらず、毎年接種している人は基礎免疫ができているので、1回でも十分効果があるはずです」(秋津医師)
※週刊ポスト2019年1月11日号