毎年、多くの芸人がブレイクするが、2019年はどんな芸人が注目されるのか――。コラムニストのペリー荻野さんは「占い芸人」が注目だという。ペリーさんがその理由について解説する。
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1月はお笑い芸人にとって、もっとも厳しい時期だ。バラエティーに出ずっぱりの顔もいれば、あれ?去年はバンバン出てたのに今年は?と早くも一発屋扱いされたり、そもそも去年出ていたことすら忘れられたり。
そして、スギちゃんは最近袖のあるものを着ているとか、“とにかく明るい安村イヤー”があったなあとか、平野ノラのでかい携帯電話はもう封印されたんだ、ひょっこりはんは大丈夫か…などと、何を目的に確認しているのかわからないが、確認したりしてみる。
また、フジテレビ新春恒例の『爆笑ヒットパレード』などでは、めったにネタをやらない芸人たちがネタを披露し、その実力が試されるときでもある。以前、森三中も久しぶりにネタを見せた際、「ものすごく緊張した」と告白していた。お祭り番組の華やかさとは裏腹に芸人残酷劇場みたいな雰囲気もある。
気になるのは『爆笑ヒットパレード』の司会のナインティナインにしても、『笑いの王者が大集結!ドリーム東西ネタ合戦』総合司会のダウンタウンにしても、やんちゃ度は減少の一途。後輩芸人たちに突っ込む姿勢がどんどん緩くなっていることだ。とんねるず不在で停滞感が募る中、兄貴たちが突っ込んであげなくちゃ、後輩がハジけることができないよ!
そんなときでも、やっぱり出てきた島田秀平。『爆笑ヒットパレード』では、丸山桂里奈の感情線の曲がり具合を指摘したり、尼神インター誠子が今年モテるなどと次々鑑定。よく考えたら、誰がモテても売れてもいいのだが、つい見てしまう。司会者に突っ込んでもらわなくても、ここでは占い芸人が主役。運勢鑑定という武器で兄貴芸人にからむこともできる。占いという特技は今年も鉄板だ。ゲッターズ飯田と島田秀平はいつも忙しそうである。
というわけで、最近は「占い芸人」というジャンルが確立しつつある。昨年は、よしもとクリエイティブエージェンシーなどが協力して「占い芸人育成プロジェクト」を実施。2丁拳銃の小堀、パンクブーブーの黒瀬、ウーマンラッシュアワーの中川パラダイスらが参戦した総勢106名の中からオーディション、研修を経て、9月には選抜された世良光治、ロカカカ・舛方、橋山メイデンなど7名が初ライブを行っている。その際には、会場にいた男性客の悩みを即興で当てるなどして、実力を示したという。
タロット、姓名判断、占星術などを習得し、そこに各自の個性も加えたというのも驚きだ。占いは女性客にもカップルにもウケる。こうしたライブはまだまだ新たな集客を期待できる。ただ、真剣に占えば占うほど、それがお笑いライブになるのかは微妙…。
占いに目覚めた彼らが平成の終わりと新時代のお笑い界をどう占っているかが気になるところだが、いずれにしても、これだけできるなら、芸人じゃなくても占い師を本職でと思うのは私がお笑い素人だからか。どんなに専門職を極めても、やっぱり笑わせたい。芸人のサガなんでしょうな。