日本を取り巻く環境が厳しさを増している。だが、我が国は相変わらず憲法9条に縛られたまま、自力で自国を守ることすらできない。櫻井よしこ氏は今が憲法改正の最後のチャンスだと訴える。
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日本国憲法は、国の交戦権さえ認めない恐らく世界でたったひとつの変な憲法です。
日本が国民、国家、国土を自分の力で守る力を持つ「自立」した国になるために、一刻も早く憲法を改正する必要があります。しかし、安倍政権下で期待された憲法改正の発議は、今に至ってもなお実現していません。
その最大の理由は、政党および国会議員のあまりの無責任さにあります。とりわけ公明党は与党でありながら、「議論が熟していない」と憲法改正に背を向けています。
2000年には憲法調査会が設置され、2007年に憲法改正の原案作成を任務とする憲法審査会ができました。憲法改正に向けた作業はすでに20年近くも続いているにもかかわらず、なぜ時期尚早なのでしょうか。
しかも安倍首相が提唱した、9条1項と2項を維持したまま自衛隊の存在を憲法に書き込む案は、2004年に公明党が言い出し、2014年に公約とした「加憲案」そのものです。公明党が議論を進めようとしないのは、国益よりも党勢の維持・拡大、「選挙に負けない」という党益に走っているからに他なりません。