寒気やだるさを感じて体温測定すると熱があった──かつてはこうしたケースで「入浴は控えるべき」と言われてきたが、それは“過去の常識”だという。
『長生きするのはどっち?』の著者で秋津医院院長の秋津壽男氏(内科医)がいう。
「昔はお風呂が屋外にあったり脱衣所が冷え切っていたりして、入浴後に体が冷えてしまうことから風邪をひいた場合の入浴が敬遠されていましたが、現在は住宅環境が整備されています。
お風呂で体を温めて、よく汗をかいて入浴後も温かくしておいたほうが、風邪対策には有効でしょう」
どのように入浴するかも重要なポイントとなる。
「半身浴ではなく、しっかり肩まで浸かって体を温めることが大切です。ただし長湯すると体力を奪われるため、体の芯まで温まったと感じたらサッとお湯から上がり、体を冷やさないよう温かい飲み物で水分補給をして安静にしましょう。
また、寒い季節、急に熱い湯船に浸かると、急激な寒暖差によって血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが増すので、風呂の温度は適度に温まることができる41度程度を目安にしてください」(秋津氏)
※週刊ポスト2019年1月18・25日号