ライフ

第25回小学館ノンフィクション大賞・三浦英之氏 ゾウ密猟を描いた理由

新聞記者、ノンフィクション作家の三浦英之氏

 第25回「小学館ノンフィクション大賞」は、最終候補4作品がいずれも現代的な生命倫理や道義性を問う力作で、選考会でも各作品を高く評価する意見が相次いだ。その中から大賞(賞金300万円)に選ばれたのは、アフリカにおけるゾウ密猟の闇を暴く労作『牙~アフリカゾウの密猟問題を追って~』だ。新聞記者、ノンフィクション作家の三浦英之氏(44)による受賞作は今春に刊行される。

【受賞作品のあらすじ】
 アフリカ大陸で横行しているアフリカゾウの密猟の実態や、その原因となっている象牙の密猟組織の中枢に迫ったルポルタージュ。

 アフリカでは毎年3万頭ものゾウが象牙を目的とした密猟によって殺され、あと10数年で絶滅してしまうと言われている。象牙の密猟によって生み出されたカネはテロリストの活動資金となり、無辜の市民がテロで殺されている。

 筆者は朝日新聞のアフリカ特派員として、アフリカ東部でアフリカゾウが絶滅の危機に追い込まれている現状を取材。その後、ケニアでゾウの保護に取り組む日本人獣医の助けを借りて、密猟の原因となっている象牙の密猟組織を追う取材に着手する。

 数か月後、インターポールに身柄を拘束されていた、ケニア最大の密猟組織の「ドン」への単独インタビューに成功。彼が証言したのが、密猟に対する現地中国大使館の関与だった。

 筆者はケニアの密猟組織の中枢にいるという、Rと呼ばれる人物の素性に迫るため、アフリカ各地を取材。最終的に大量の象牙を中国政府専用機に積み込んだとする関係者の証言を得たが、直後にある男の訪問を受け、取材を続けられなくなってしまう。

関連記事

トピックス

百合子さまは残された3人の仲を最後まで気にかけられたという(2023年6月、東京・港区)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン