眠りたいのに眠れない──こんな時はどうすればいいのか。「眠れないのならば無理して寝ず、眠くなるまで起きておく」という考え方もあるが、「眠れなくてもとりあえず横になる」のが正解だと話すのは、『長生きするのはどっち?』の著者で秋津医院院長の秋津壽男氏(内科医)だ。
「睡眠には体と脳の疲労を取り除く役割がありますが、横たわって目をつぶることで視覚や体への刺激など脳が処理する情報量が減り、体と脳を休めることができます」
不眠が続くと日中の強烈な眠気や、生活意欲の低下を伴う。その場合、安眠のため薬に頼りたくなるが、医療経済ジャーナリストの室井一辰氏は、「できるだけ睡眠薬は飲まないほうがいい」という。
「多くの睡眠薬には依存性があり、服用を止めるとイライラや不安などの離脱症状が生じます。
中でも『ベンゾジアゼピン系』の睡眠薬は依存性が高く、服用し続けると筋力が低下して転倒リスクが増すと言われ、高齢者が服用すると交通事故や転倒、大腿骨骨折のリスクが2倍になり、アルツハイマー型認知症のリスクも増加したという研究結果があります」
※週刊ポスト2019年1月18・25日号