偉大な先輩から話題の後輩まで、“同業”だからこそ分かる圧倒的才能がある。元TBSの小島慶子さん(46)が、「本当にすごかった女性アナウンサー」ついて語る。
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TBSの元上司だった宇野淑子さんは、民放で初めて定年まで勤めあげた女性アナウンサーのパイオニアです。上司としても、女性アナウンサーが置かれている状況をよく理解したうえで、私たちを励ましてくださいました。
制作現場は「若い子は素直で愛嬌があって、女子らしい感じがないとダメ」と求められるのですが、私はそれが上手くできなくて、「生意気だ」と言われて落ち込んでいました。そんな時、宇野さんが「小島には他にできることがあるから今は焦らなくていい」と繰り返して言ってくださって、救われました。
同期の堀井美香さんも、尊敬するアナウンサーの一人。入社早々にアイドルアナになったのに、まったく浮かれていなかった。人気絶頂の20代前半で社内結婚して、出産。その後ニュースやナレーション、ラジオの仕事を地道にこなしてキャリアを積んでいる。
私たち1995年入社組は結婚も早かったし、着実に家庭を築きつつキャリアも積んできました。“ママアナ”の道筋を作ったのは私たちの期なんですけど、堀井がいなかったら私も踏み切れなかったと思います。
他局ではテレ朝の小川彩佳さんもすごい。財務事務次官のセクハラ問題の時に、局アナという自由にものが言えない立場にもかかわらず、一人称でハラスメントに対して断固たる姿勢を示していたし、自社の対応についてもおかしいと批判していた。NHKでは鎌倉千秋さん。女性に関する問題について一生懸命発言をしていて、“MeToo”運動の時もしっかり伝えていました。小川さんや鎌倉さんのように、志があって勇気のある人たちが、これからの女性アナウンサー像を変えていくのだと思います。
※週刊ポスト2019年1月18・25日号