偉大な先輩から話題の後輩まで、“同業”だからこそ分かる圧倒的才能がある。元TBSの渡辺真理さん(51)に、「本当にすごかった女子アナ」について聞いた。
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吉川美代子さんご自身は“女子アナ”と総称されることに同意なさっていないので、今回の“女子アナ”という括りで吉川さんのお名前を挙げるのは、そぐわないかもしれません。
しかし女性アナウンサーとしてのキャリア、技能、ポテンシャルなどから、やはり、挙げないわけにはいかない存在です。入社試験の面接官がたまたま吉川さんで、肩からサラッとジャケットを羽織っていらしたその圧倒的オーラは今でも忘れられません。アナウンス技術の正確さ、伝え方の的確さも、後輩としては追いつくことのできない存在だと感じています。
中井美穂さんも然り。親しみやすさ、率直さ、大らかさ、可愛らしさ、さっぱりとしたところ、数値で表わせないけれども、その場の空気を和らげるうえで最も大切なものを全部兼ね備えている先輩です。自局他局問わず後輩への接し方にも表われていて、いらっしゃるとその場が和やかになる。あの魅力は絶大です。
小宮悦子さんも尊敬する先輩です。久米さんと小宮さんでなければ、『ニュースステーション』は社会現象と言われるまでの番組にはならなかったと感じます。番組制作をするスタッフの底力が番組の礎ですが、小宮さんの久米さんに対して、番組に対して、取材対象に対しての距離感や冷静さ、真摯さは、欠かせない基盤でした。どのニュースに対しても目をそむけず、冷静に伝える姿勢は当代随一だと感じています。
後輩に教わることもたくさんあり、中でも高島彩ちゃんには、番組でご一緒すると「なるほど!」と思わされる場面が多くありました。賢ぶらず、出過ぎず、引っ込み過ぎず、すごく可愛いのだけど、質問はベストなタイミングで鋭く聞く。番組の時間を取らずに最も短く、平易な質問で聞ける瞬発力も随一じゃないかと。“女子アナブーム”があったとしたなら、彩ちゃんがひとつの到達点だと感じます。
※週刊ポスト2019年1月18・25日号