国内

青学、中央、日大も なぜ大学は付属・系属校を強化するのか

付属の共学化で女子の進学率上昇を狙う大学も(写真はイメージ)

 2019年度の中学入試、高校入試で注目を集めている学校に、日本大学の50年ぶりの準付属校となる目黒日本大学や、青山学院大学の系属校になった浦和ルーテル学院がある。いま、大学はなぜ付属校、系属校の強化に力を入れているのか。安田教育研究所代表の安田理氏がその理由を探る。

 * * *
 日本の18歳人口のピークは、ちょうど今から50年前の1968年。当時は254万人もの18歳がいた。その後1976年に154万人まで減るが、再び1992年に205万人まで盛り返す。この年をピークに、その後は年度により多少の増加はあるが右肩下がりが続く。直近の2017年は120万人で、1968年の47.2%しかいない。なんと半分以下になっている。

 ただ18歳人口が減っても大学進学率が年々上昇していたので、大学進学者数はむしろ増えていた。実は2017年が大学進学者数のピークだとされていて、大学関係者の間では早くから「2018年問題」が言われてきた。今後も大学進学率が上昇を続けたとしても、18歳人口の減りがそれ以上に大きく、大学進学者数の増加は見込めないからである。

 全体状況は以上のようなことだとしても、個々の大学にとってもう1つ大きな問題が大学数の急増である。

 2017年の大学数は764校。30年前の1988年は490校だったから、この間に300校も増えていることになる。需給関係のバランスが崩れ、全国の私立大学の4割近くが定員が埋まらない状況が続いていることはご承知の通り。今後、専門職大学などの設立でさらに増加する可能性がある。

◆女子の進学率上昇に期待

 当然のことながら、大学の経営陣は早くから「2018年問題」には気が付いていた。そこでまず考えたのが、男子の大学進学率は早くから高かったので、これ以上大きくは伸びない。これからは女子が大学に進学してくることに期待しよう、ということである。

 これまで主として男子を意識してきた大学が、女子にも選ばれるようにすることが大切だと考えた。硬派なイメージを払しょくし、大学のキャンパスに女子学生を多くするにはどうするか。それを確実に進める手段の1つが付属校の共学化だった。付属校からの女子学生が大学のキャンパスで明るく楽しそうにしていれば、一般受験でも女子の受験者が増えるだろうと考えたのである。そこで、下記のように共学化は進んだ。

・2001年/中央大学附属
・2002年/早稲田実業(移転)
・2007年/法政大学第一(法政大学に校名変更。移転)
・2008年/明治大学付属明治(移転)
・2016年/法政大学第二

関連キーワード

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン