中国共産党中央規律検査委員会は2018年の1年間で、62万1000人を党規律違反や汚職などの罪で起訴したことが分かった。これは土曜日、日曜日、祭日の休みもなしで365日間、毎日1701人を起訴した計算となる。1人の被告人を起訴するには、裁判所や検察、規律検査委メンバーが手続きをしなければならず、被告人と同じくらいの人数が必要で、当局側の負担は極めて大きい。
さらに、この中でも51人は次官級の高官で、捜査も長期化、複雑化せざるを得ない。それなのにこのように大量に起訴されているだけに、しっかりとした証拠固めが行われているかどうかを疑う向きも多い。
党中央規律検査委員会によると、習近平指導部は汚職が、政府が目標とする国民の生活水準を意味する「小康社会」実現と貧困根絶といった目標達成の大きな障害になると考えており、同委は昨年も活発な汚職摘発活動を続けてきたという。
同委によると、このような反腐敗運動は習近平指導部が発足してからの昨年までの6年間で、150万人の官吏が党規律違反と汚職で処罰されているという。
これも同様の単純計算をすると、平均685人の汚職官吏が党規律違反と汚職で処罰されていることになる。
1人の容疑者を起訴し、裁判で有罪判決を受けるには、平均で1年以上の歳月がかかっている。それを考えると犯罪の内偵期間や逮捕起訴までの取り調べに要する同委や検察など、莫大な数の人員が関わっていることになる。
ネット上では「当局はまず犯罪者ありきで、習近平指導部に都合が悪い人物をピックアップして、確固たる証拠もなしに逮捕してから、長期間拘留して、汚職や規律違反の事実を白状させているのではないか。10年も20年も役人をやっている者ならば、中国では汚職の経験がない者はいないというのは常識だ」といった批判が出ている。