プロ野球のキャンプイン目前。シーズンオフの話題の一つは、自主トレで誰と誰が一緒にやったかが関心事となる。
「自主トレは球団と選手の契約の外の部分。ただ、他球団の選手と自主トレするのはどうなのか。良い方向に転べばいいが、正直、“仲良しクラブのお仲間”を相手に、シーズンが始まってから真剣な野球ができていないのは一目瞭然ですよ」
辛口評論で知られる“エモやん”こと江本孟紀氏はそう話す。
近年、WBCや五輪で「侍ジャパン」を結成する機会が増えたことで、チームの枠を超えて自主トレに励む選手は少なくない。お互いの技術論などを語る場として絶好の機会かもしれないが、その自主トレが思わぬ懸念を呼んでいる。
「オリックスから阪神へ移籍した西勇輝(28)は、2015年の『プレミア12』の代表チームで一緒だった巨人の菅野智之(29)に弟子入り志願して以来一緒に自主トレをしています。このオフも年末にハワイ入りしています。“別メニュー”だとしていますが、同じ施設。“伝統の一戦”を戦う2チームのエース級ピッチャーという関係になったのに、一緒に練習するのはどうなのか」(スポーツ紙記者)
自分のトレーニングだけでなく、ライバル球団の選手と意見交換し、さらに自軍の若手を育てようというのは難しいのか。
「ワシらが現役の頃は、よそのチームの選手と自主トレをするということは絶対になかった。体ひとつ作るのも“企業秘密”だったからな。食事や飲みに行くことさえなかったが、それが今は呉越同舟。時代も変わったものよ」
“カネやん”こと金田正一氏はそう嘆いた。
※週刊ポスト2019年2月1日号