いよいよ新国立競技場の完成年である2019年に入り、五輪ムードも一気に高まるなか、工事は順調に進む。すでに全体の6割強が完成、5階部分の足場はすべて取り外され、円柱がはっきり見えるようになった。現在約2500人の作業員が工事を担う。2月中には右手前(西側)の屋根もつながり、屋根鉄骨が完成する。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「最難関とされる屋根工事も最終盤にさしかかりました。2月中に屋根の骨組み工事が終了すれば、3月からフィールド工事が始まり大型クレーンは姿を消すでしょう。観客席も、6万席のうち8000席が取り付けられました。
茶、深緑、黄緑、黄、白の5色に配色された座席がモザイク状に見えるように配置されていますが(拡大部分=写真2枚目参照)、これはデザインを手掛けた隈研吾氏の発案です。上段になるほど明るい色調を配することで、47都道府県の木材を使用した庇から日の光が差し込む“森の木洩れ日”を表現しています」
11月末の完成後、来年元日のサッカー天皇杯決勝がこけら落としとなる。(1月10日撮影)
撮影■小倉雄一郎
※週刊ポスト2019年2月1日号