芸能

占い師役で主演の杉咲花、スイッチの入り方が凄まじい

『ハケン占い師アタル』主演の杉咲花

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回はドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)に主演する杉咲花について。

 * * *
 1月期のドラマがほぼ出揃い、初回視聴率の高低が取り沙汰されている。

 17日にスタートした杉咲花主演の『ハケン占い師アタル』の初回視聴率は、12.1%(ビデオリサーチ・関東地区)。

 この数字は、民放連ドラの中で、沢村一樹主演の『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)、北川景子主演の『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)、高畑充希主演の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)、そして関ジャニ∞の錦戸亮主演の『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)に次ぐ数字で、「好発進」と言える(『家売る〜』と『メゾン〜』は同率)。

 だが、テレビ朝日の木曜ドラマ(木曜夜9時)といえば、2010年代、米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズや、同じくシリーズ化、スペシャル化されている天海祐希主演の『緊急取調室』。木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』、そして前クールは、米倉主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』がオンエアされていた超高視聴率枠。

 初回というのは総じて“ご祝儀相場”だし、第二話で数字をガクンと落として“話題”になってしまっている他局ドラマもあることから、“第二話押し”に宣伝部がさまざま仕掛けてくることだろう。

◇「寓話性の中に働く人のリアルを込めた」作品

 たとえば、番組スタッフが書き手となる「朝日新聞」のラテ欄の連載「撮影5分前」は、絶妙のタイミングで『ハケン占い師アタル』のプロデューサー、山田兼司氏の順番になった。

「派遣社員のアタル(杉咲花)が、一緒に働く人の悩みを占いで解決する。(中略)刑事モノや医療モノであれば解決する対象も事件や病気で分かりやすい。本作のテーマである『働くことの悩み』は切実だが、わかりやすい解決策がない」と山田氏は記す。そして「だからこそドラマで描くにふさわしいと脚本・遊川和彦さんと挑戦した」と説明している。

 遊川和彦氏の脚本といえば、社会現象にもなった天海祐希主演の『女王の教室』や松嶋菜々子主演の『家政婦のミタ』(共に日本テレビ系)を思い浮かべる方が多いことだろう。“遊川作品”のファンは「必ず何かやってくれるに違いない」という期待感に溢れていると思う。近年のドラマには本当に稀有な存在である“オリジナル作品”であるうえ、今回、遊川氏は演出にも名前を連ねているというのだから力の入れようがわかろうというものだ。

 イベント会社の“制作Dチーム”を舞台に、そこに派遣社員としてやってきたアタル(杉咲)との出会いにより、チームの一員が大きな一歩を踏み出し、自ら変わっていくのが『ハケン占い師アタル』。
 
 件の山田プロデューサーは「寓話性の中に働く人のリアルを込めた」とも記していたが、その通り。チームメンバーの日常や、それぞれが抱える悩みのリアリティーがハンパない。
 
 主演の杉咲の若さや、共演の志田未来や間宮祥太郎、志尊淳ら若手俳優がメインキャストなので、「私が見るドラマではない」と食わず嫌いならぬ“見ず嫌い”をしている大人がいると推測できるが、それはかなり勿体ない。

 しかも、アイドル誌などでは同作を「お仕事コメディー」と位置付けていたりもする。10代の読者に向けての表現なのかもしれないが、大きな違和感をおぼえざるをえない。『ハケン占い師アタル』は、決して“子供だまし”ではなく、件の高視聴率“木曜ドラマ”と同じく、大人のドラマ。エールを受けるであろうすべての“働く人”はもちろん、杉咲の可愛さ全開のシーンも多く、『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)で彼女のファンになった若者の心にも刺さると私には思える。

◇大小さまざまなスイッチを各所でオン、オフ

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン