平成のスポーツ名場面を振り返る。野球の世界一決定戦、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)第1回大会2次リーグの米国戦で、世界が驚く大誤審によって日本が敗れるというハプニングが起きた(平成18年=2006年3月12日)。
3対3で迎えた8回1死満塁。岩村明憲の左飛で、三塁走者の西岡剛がタッチアップで生還した。だが米国のマルティネス監督が「離塁が早い」と抗議すると、デービッドソン球審が判定を覆した。
たまらず王貞治監督が猛抗議を行なうも結果は変わらず、日本の決勝点は幻となり、試合は9回裏に米国が1点を入れてサヨナラ負け。これには米国メディアも、問題の球審の誤審だとする異例の報道をした。
試合後、王監督は「野球がスタートした米国であってはいけないこと」と発言。イチローも「日本の野球選手が憧れ続けたメジャーに勝つ可能性があっただけに、ただただ残念です」とコメントしている。しかしこの逆境を跳ね返した日本が、優勝トロフィーを手にした。
※週刊ポスト2019年2月1日号