「あの家の人はみんな離婚するわね」、「やっぱり、離婚家系ってあるのかしら」と、世間を騒がせているのは、昨年、河野景子さん(54才)と離婚した元貴乃花親方(46才)の一家。
何しろ、息子・花田優一(23才)、兄・花田虎上(48才)、母・藤田紀子(71才)と、家族みんながバツイチなのだ。
ほかにも、「不倫は文化」発言の石田純一(65才)と、二股交際や離婚を繰り返したいしだ壱成(44才)や、辺見マリ(68才)とえみり(42才)…離婚や不倫が「連鎖」する家系は少なくない。
◆不倫男性には遺伝子に特定の変異がある
「科学的には、それは当然のことなのです」と語るのは、『「浮気」を「不倫」と呼ぶな』(WAC)の共著がある動物行動学者の竹内久美子さんだ。
「欧米では、結婚生活と遺伝の関係についての研究が進んでいます。そこでは『不倫遺伝子』の存在が明らかになりました」
なんとも衝撃的だが、なかでも注目は、2008年にスウェーデンのカロリンスカ研究所が発表した不倫に関する研究だ。国内の双子男性552組とそのパートナーの遺伝子を調べたところ、不倫経験がある男性のある遺伝子に特定の変異があることがわかった。それは、「バソプレッシン」というホルモンに作用する遺伝子である「AVPR1A遺伝子」。この遺伝子の変異型を「アリル334」と呼び、これを多く持つと、パートナー以外の女性に目移りする傾向があったのだ。
「バソプレッシンは『父性愛のホルモン』と呼ばれるホルモンで、パートナーへの愛情が芽生えて、家族を守ろうという意欲が生じることに関係します。ですので、『AVPR1A遺伝子』に変異があると、父性愛が機能せず、妻や子供に愛情を持たなくなるため、不倫に走りやすくなると考えられます」(竹内さん)
この“変異した「AVPR1A遺伝子」”、つまり「アリル334」を2つ持つ男性は、持たない男性に比べ、過去1年以内に不倫や浮気が原因で離婚危機を経験した割合が2倍以上だったのだ。
またバソプレッシンは「テストステロン」という男性ホルモンとセットになって働くが、テストステロンの量と、不倫にも因果関係があるという。
「恋愛学者」として知られる早稲田大学国際教養学部教授の森川友義さんが指摘する。
「テストステロンは、男っぽさや闘争本能に関係するホルモンです。このテストステロンが多いほど性欲が強くなり、“誰かと浮気したい”という気持ちが芽生えます」
テストステロンの量は遺伝的であると考えられており、持って生まれたテストステロンは、自分の意思で増やしたり減らしたりはできない。
「ところが興奮状態におかれると、ヒトは短期的にテストステロン値が上昇します。このため、プロスポーツ選手や芸能人などハイになりやすい人はテストステロンが多く、不倫に走る傾向があります。一方で、勝敗に仕事が左右されにくい公務員や農業従事者は、感情が安定し、テストステロンが抑制されているので、不倫経験者も少ないと考えられます」(森川さん)
男性だけでなく女性にもテストステロンは存在する。
「女性は50才前後になると閉経を迎えますが、その十数年前からテストステロンが増加して性欲が高まります。このため、年長の女性ほど不倫に走りやすいことがわかっています」(竹内さん)
※女性セブン2019年2月7日号