目の疲れ、霞みなどを感じるたびに、目薬をさして気分転換をする人は多い。だが、『その「1錠」が脳をダメにする』の著者で薬剤師の宇多川久美子氏は目薬の頻繁な使用にこう警鐘を鳴らす。
「目薬には依存症リスクがあります。目薬が恒常的に入ると目は涙液を作ることをさぼるようになる。つまり、目が乾燥する『ドライアイ』を招くのです。目薬をさしてドライアイになるという、まさに本末転倒の結果です」
新潟大学名誉教授の岡田正彦医師もこう続ける。
「昔から医療関係者の間では“目薬マニア”という言葉があります。目薬にはスカッとする成分が入っていて、なんとなく薬を使っていると目が健康になるイメージがある。しかし、目薬にも防腐剤などが入っていますから連用してはいけません。
目薬のようにスカッとする感覚を得るために長期連用してしまう薬に湿布薬もあります。実は、湿布にはきちんとした科学的裏付けがなく、医療機関で使われるのは世界を見渡しても日本ぐらいです。
市販薬だからといって“気分転換”“気休め”として薬を続ける行為は見直すべきです」
※週刊ポスト2019年2月1日号