日本国内に輸入される食品の中で、貝類は中国からの輸入が多い分野だ。本誌・女性セブン(2019年1月31日号)が『農林水産物輸出入概況』2017年などをもとにした集計によると、中国産比率ははまぐりが87.9%で、あさりは65.5%となっている。しかし、中国からの輸入食品には農薬が残っていたり、あるいは発がん性物質が検出されたりなど、安全性に問題があるケースも少なくない。
2018年も中国産あさりから除草剤「プロメトリン」が検出される例が複数あったが、その理由には驚かされる。
「中国の養殖場では藻が繁殖するのを防ぐため、海に除草剤を撒くらしいんです。日本では考えられないことです」(豊洲市場関係者)
また、「活きた貝は外国産でも、いったん日本の海につければ日本産になる」という話もある。実際はどうなのか。食品問題評論家の垣田達哉さんが言う。
「出荷調整や砂抜きのため国内で一時蓄養(放流)した輸入貝類も、原則として輸出国を表示せねばなりません。しかし、『産地が複数にまたがる場合、飼育期間が最も長い飼養地を産地とする』と食品表示法が規定しています。つまり、日本での時間の方が長ければ日本産と表示できるのです」
あさりのほか、はまぐり、しじみなどの貝類が、この手段で日本産に化けている。そうなると消費者は気づきようがない。
「中国産はプロが貝殻を見ればわかることもあるが、時期によって模様が変わるので、一般人が見抜くのは難しい」(前出・豊洲市場関係者)というから、信頼のおける店で買うほかない。“自分で採ったあさりなら大丈夫だろう”という人もいるだろうが、残念ながら、そうでもない。
「シーズンには家族連れで賑わう、ある有名な潮干狩りスポットも、中国産の活あさりを大量に買い付けて撒いている。関係者の間では有名な話ですよ」(前出・豊洲市場関係者)
さらに恐ろしいのは、はまぐりだという。
「日本のはまぐりは2012年に絶滅危惧種に指定されており、ほとんどが外国産。しかも、その9割以上が中国産です。過去には中国産はまぐりからA型肝炎ウイルスが検出されたこともあり、国立感染症研究所が充分加熱してから食べるよう警鐘を鳴らしています」(食品の安全に詳しいジャーナリストの小倉正行さん)
※女性セブン2019年2月7日号