昨年末に起きた韓国海軍駆逐艦の火器管制レーダー照射問題に、徴用工への賠償判決と、問題山積の日韓関係。「言いがかりは無視しておけばいい」と考えたくもなるが、両国を日々行き交う物流についてはそう片付けるわけにもいかない現実がある。
財務省の調査(2017年度)によれば、韓国は日本の製品輸入先として中国、米国、豪に続く4位で、その輸入額は年間3兆円を超えている。
なかでもキムチや韓国海苔といった韓国食品は老若男女に親しまれているが、その割に日本人が口にする“メイド・イン・コリア”の実態は知られていない。
厚生労働省が公表する「輸入食品等の食品衛生法違反事例」の過去3年分を紐解くだけでも、冷凍カルビスープや高麗人参茶から基準値超の細菌や微生物が検出(2018年)、白菜キムチから食中毒を引き起こす腸管出血性大腸菌O-103が検出(2016年)といったケースが報告されている。
このキムチは山口県内のスーパー14店舗で流通していたことが発覚。店頭販売前のものを含む計468キロ分を回収する事態となった。
大腸菌群の検出事例は目立っており、過去3年(2016~2018年度)で食品衛生法違反に該当した韓国輸入食品65例のうち、大腸菌群の検出によるものは20例。実に3割にのぼる。この数字は他の輸入先となる先進各国の中でも極めて高い。
昨年1年だけでも冷凍チャンジャや冷凍干し柿、ハンバーガーやアイスクリームといった食品から相次いで大腸菌群が検出された。