土地取引を巡り積水ハウスが「地面師」グループの詐欺被害に遭った事件で、フィリピンに逃亡していたカミンスカス操容疑者(59)が1月11日に偽造有印私文書行使などの容疑で逮捕された。カミンスカス容疑者は主犯格とされながらフィリピンに逃亡。12月19日に首都・マニラの日本大使館に出頭し、入管管理局に身柄を拘束されていた。
週刊ポストは、カミンスカス容疑者が国外退去処分を受け、1月11日に日本に移送されるまでの間に入っていた入管の収監施設で撮影された動画を入手。動画は、同容疑者に接触した日本人男性A氏が撮影したものだ。
「どういう報道なってる?」「逃がしてる?」
携帯電話でしきりにそう問いかけるのは、Tシャツに短パン姿で片膝を立てたカミンスカス容疑者。動画には、カミンスカス容疑者が「昨日だって大使館のなか入ったけど(中略)そのまま車で出て入管に渡しただけだもん。信用しちゃいけなかったな。年明けでよかったよ」などと何者かに伝えている様子が写っている。
A氏は1月、カミンスカス容疑者の逮捕後に知人を通じてこの動画を警視庁に提出したという。A氏は収監施設での逮捕直前のカミンスカス容疑者の様子をこう話す。
「12月に入管の施設内では“地面師の日本人が来る”という話が出ていて、本当にカミンスカスがやってきた。身柄を拘束といってもフィリピンの入管施設はおおらかで、携帯電話も持ち込める。カミンスカスは電話ばかりしていた。動画で聞いている『逃がしている?』とは、仲間が処分保留で釈放されているかどうかを確認していたようです。何人も釈放されているので、自分も大丈夫だと考えて出頭したら、話が違ったということで『信用しちゃいけなかった』と言っていたようです」
A氏は、施設内でカミンスカス容疑者と雑談するなかで、事件についても尋ねてみたという。