10年ぶり5度目──といってもセンバツ甲子園の話ではない。国民民主党と自由党の合流が浮上し、小沢一郎氏(76)が民主党時代以来、「5度目の幹事長就任」が有力視されている。
小沢氏といえば、1989年に47歳で自民党幹事長に就任、強引な政治手法で「剛腕」の異名を取って以来、これまで4つの政党で幹事長を経験してきた。
不気味なことに、この政治家が「剛腕」を発揮して政界秩序をひっくり返すのは、党首時代より幹事長として党運営の実務を握ったときだ。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
「自民党幹事長時代は時の海部首相のクビを切り、次期首相候補を面接。自民党を分裂させ新生党代表幹事になると、野党をまとめて細川政権を誕生させた。民主党幹事長時代には鳩山内閣の“影の総理”として取り仕切った。小沢氏が再び幹事長として与野党激突の最前線に復帰すれば、何か仕掛けるのは間違いない」
そんな小沢復帰に、心中穏やかではないのが二階俊博・自民党幹事長(79)だろう。
「二階氏は今でこそ首相も一目置く大幹事長の座にあるが、自民党や新生党時代は小沢氏の元子分。若手議員の頃は信長と“草履取り”の秀吉のような関係だった」(野上氏)