韓国産輸入食品は至る所で見かけるが、さまざまなトラブルも数多く発生している。財務省の調査(2017年度)によると、韓国は日本の製品輸入先として中国、米国、豪に続く4位で、その輸入額は年間3兆円を超えている。2018年だけでも、大腸菌群や基準値超の細菌数が検出されたり、微生物が検出されるなどの食品衛生法違反事例がいくつも報告されている。寄生虫による食中毒事案も複数、繰り返されている。これらの食品を“水際”で食い止められない日本の検査体制にも課題がある。
食の安全問題に詳しいジャーナリストの小倉正行氏が語る。
「日本の検疫所における輸入食品の検査率はわずか8.4%(2016年度)。9割以上の食品が無検査で国内に入っていることになります。2016年度には約234万件にも及ぶ輸入食品の届出件数が提出されているのに対し、衛生監視員が400人弱しかいない。少なくとも検査員を3000人まで増員しない限り、十分な検査態勢とはいえないでしょう。
輸入食品のモニタリング検査も形骸化しています。検査対象となった食品は、その結果を待たずに輸入可能となっています。つまり検査結果が判明したときには国内市場に流通したあとで、“すでに当該食品は消費者の胃袋の中”という事態が起きている」
2017年度に韓国産海産物を輸入するも、基準値超の残留薬剤が検出され、食品衛生法違反で回収に至った国内の食品輸入業者が振り返る。