1990年の開業以来、年間約700例の手術をこなし、日本の豊胸手術をリードするナグモクリニックの南雲吉則総院長。近年は母娘来院をはじめ海外からの来院者も増え、希望者は年々増加の一途を辿っているという。技術も進歩するなか、豊胸女性を“見抜く”ことはできるのか──。南雲氏が解説する。
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豊胸術には大きく分けて3つあります。脇の下からシリコンを入れる手術、太ももやお尻から自身の脂肪を吸引して胸に注入する手術、そしてヒアルロン酸を胸に注入するタイプです。結論から申し上げると、豊胸手術した胸は全て見抜けます。
この3つの手術に共通する見抜き方は「両手を上げる」ことです。女性が両手を上げた時、豊胸しているとシリコンなどを入れた部分も一緒に上がってしまうので、その動きで分かります。自然な胸なら、両手を上げてもほとんど動きません。裸の状態がわかりやすいですが、服を着ていても私は判別できます。もちろん、シリコン手術は術後1年くらい注入部の傷が赤く残るため、一目瞭然です。
ただ都市伝説的に“シリコンが入っている胸は冷たい”などと言われますが、これは間違いです。シリコンにも体温が伝わるため他人が触って分かるほどの温度差は生じません。また“シリコン挿入した胸は暗い所で光る”とも言われますが、これも全くの嘘。ただ、胸のレントゲンを撮った時に白い影が出る場合があります。
最近のヒアルロン酸注入の進歩は凄まじいです。超音波で胸の内部を観察しながら乳腺と筋肉間にヒアルロン酸を注入するため、体への負担も少なく見た目も自然な仕上がりです。我々はより自然な胸を再現するために、今後も技術を磨いていきます。
取材・文■河合桃子 撮影■井上たろう
※週刊ポスト2019年2月8日号