ライフ

米津玄師で話題の大塚国際美術館で体験できる「最後の晩餐」

最後の晩餐〈修復前〉

 昨年末の『紅白歌合戦』(NHK)で米津玄師が熱唱した場所として、ファンの間で聖地となっている徳島県鳴門市の大塚国際美術館。米津効果は絶大で、お正月の来場者は昨年の1.5倍に増えた。あの荘厳的なステージは、ヴァティカン市国のシスティーナ礼拝堂を原寸大で完全再現したホール。同館には『モナ・リザ』『最後の晩餐』といった世界的名画が1000点ほど並ぶが、そのすべてが陶板で複製された“陶板名画”だ。

「作品はすべて原寸大で、現地で作品を撮影したものを特殊技術で陶板に転写。約2万色を駆使し、オリジナルの色味を忠実に再現しています」と広報の土橋加奈子さん。レプリカとはいえ、世界中の名画を一度に楽しめるのは世界唯一の“陶板名画美術館”だけだ。

■システィーナ礼拝堂天井画および壁画
作家:ミケランジェロ
所蔵先:システィーナ礼拝堂(ヴァティカン)

 高さ約16m、面積約800平方メートルの天井画を空間ごと完全再現した「システィーナ・ホール」。

「実は開館当初は正面の壁画と天井画の一部しか完成していませんでした。天井画を全て再現するにあたって陶板をアーチにするのが難しかったのです」(土橋さん)

■秘儀の間
作家:不詳
所蔵先:秘儀荘(イタリア・ポンペイ)

 紀元79年、火山噴火によって街ごと火山灰で埋まってしまった世界遺産ポンペイ。

「壁面の鮮やかな朱色はポンペイ・レッドと呼ばれています。秘儀の間は部屋の大きさはもちろん、壁面の剥落やひび割れも現地と全く同じように再現しています」(土橋さん)

 現地では作品保護のため、部屋の中で鑑賞することができないが、ここでは入室して心ゆくまで鑑賞できる。

■最後の晩餐〈修復前〉
作家:レオナルド・ダ・ヴィンチ
所蔵先:サンタ・マリーア・デッレ・グラーツィエ修道院食堂(イタリア・ミラノ)

最後の晩餐〈修復後〉
作家:レオナルド・ダ・ヴィンチ
所蔵先:サンタ・マリーア・デッレ・グラーツィエ修道院食堂(イタリア・ミラノ)

「開館当初は修復前の展示だけでしたが、現地の修復が終了したことを受けて修復後の作品も追加展示しました」(土橋さん)

 今となってはイタリアに行っても修復前の状態を見ることはできないが、ここなら比較しながら見る…という唯一無二の体験ができる。

◆美術館ならではのアートなメニュー

『最後の晩餐』1800円、「レストラン ガーデン」にて提供。

 レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』から着想を得たメニュー。

「メインは、鳴門の鯛と阿波黒毛和牛です。徳島の名産にこだわって作ったので、副菜も徳島県産のものを使いました。ワインの代わりにぶどうジュースを選ぶこともできます」(土橋さん)

※女性セブン2019年2月14日号

関連記事

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン