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親の認知症対策 「成年後見」と「家族信託」の使い分け方

認知症700万時代を迎え、済ませておくべきことは?

 認知症700万人時代を迎え、「老親がボケるリスク」は、どの家族にもある。“その時”に親の資産が凍結されてしまうのを防ぐために「成年後見(任意後見)」「家族信託」という制度があるが、その普及は進んでいない。「どこに相談すればいいかわからない」「手続きが難しそう」──そんな不安をいち早く解消し、迫り来るリスクに備えなくてはならない。

 いまや65歳以上の15%、85歳を超えると5割以上が認知症になると推計されている。親が認知症になった時、家族には思いがけないリスクが降りかかる。

 認知症が進行して金融機関の窓口で「判断能力がない」と判定されると、口座を事実上凍結され、家族も、本人さえも引き出せなくなるケースがある。介護費用などに親の資産を使えなくなるのだ。

 本誌・週刊ポストでは、親の認知症への対策として、「成年後見(任意後見)」と「家族信託」の2つの制度があることを紹介してきた。「成年後見(任意後見)」は親の判断能力があるうちに家族の1人を後見人に指名(契約)しておき、認知症が進んだ段階で後見人が家庭裁判所に届け出て親の財産を管理する制度だ。

 後見人になれば親の口座などから預金を引き出す権限を持つが、その使途は裁判所が選任した後見監督人(司法書士や弁護士など)に厳しくチェックされる。

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