アイドルグループ「嵐」の活動休止に列島が揺れている。全国紙の一面を飾り、ワイドショーも連日のようにメンバーの今後の展開を報道。SNS上には〈信じたくない〉と、いまだファンの悲しみの声が溢れているが、とりわけ悲痛に暮れているのは北海道・札幌ドームの関係者かもしれない。
「嵐は2008年以降、毎年11月に札幌ドームでコンサートを開いてきました。昨年は3日間でのべ16万人のファンが詰めかけ、周辺の宿泊施設が軒並み満杯になった。プロ野球以外でこれほど莫大な利益をもたらしてきた興行はない。“再来年以降、どうするんだ”とドーム関係者は青ざめています」(スポーツ紙記者)
焦るのも無理はない。昨年3月、北海道日本ハムファイターズが札幌ドームに代わる本拠地として、2023年に北広島市で新球場をオープンすると発表した。市が運営する札幌ドームの収入の大黒柱は日ハム球団で、2016年度のホームゲーム関連の収入は広告枠販売を含めて約12億円。2016年度の売上高は過去最高の約41億円を記録した。
「稼ぎ頭の日ハムが去るとなれば、これまで以上に人気アーティストのコンサート収入に頼らざるをえない。しかし、そんな状況下で、今度は5万人の客席を超満員にできる嵐までいなくなってしまう。まさに“泣きっ面に蜂”です」(芸能評論家の三杉武氏)
札幌ドームに聞くと、こう回答した。
「ドームの収入のみならず、観光や街全体の収入という意味でも本当にありがたい存在でした。活動休止は残念です」(札幌市役所スポーツ局施設課)
札幌ドームは「嵐の“後”の静けさ」に怯えている。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号