大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を達成し、中日にドラフト1指名されたルーキー・根尾昂(18)だが、右ふくらはぎの肉離れによりキャンプは二軍スタートに。しかし、開幕に向けた期待はむしろ高まっている。
「超高校級。普通にやれば(1年目から)いける」
1月中旬にナゴヤ球場での選手会合同自主トレを訪れた中日OB・宇野勝氏は、囲み取材で根尾をそう絶賛した。同じショートを守り、1984年には本塁打王に輝いた宇野氏の言葉に、因縁を感じる関係者は少なくない。
「1988年に宇野から定位置を奪ったのが、PL学園で春夏連覇を果たして入団した新人の立浪和義でした。立浪は開幕戦で2番ショートに抜擢され、宇野はセカンドにコンバートされた。根尾がポジションを争うのは2017年新人王の京田(陽太、24)だが、立浪の時のようにコンバートされるのか。キャンプの最注目ポイントだ」(スポーツ紙デスク)
高校時代は投手、外野手もこなしたが、「ショート一本での起用は現実味がある」(中日新聞関係者)とみられている。
「何しろ自主トレの段階から根尾人気が凄まじく、スタンドが開放された日は連日超満員。早ければ2月7日の第2クールから一軍キャンプに合流させる予定だ。昨季の集客も松坂(大輔)頼みだったことを考えれば、首脳陣は根尾がやりやすいポジションで使うつもりだろう。今オフ、京田の年俸はアップし、背番号も『1』に“昇格”したが、コンバートしても納得するように球団が事前に“誠意”を見せたのではないか」
立浪氏は1988年の新人王に輝き、チームはリーグ優勝を果たした。根尾はどこまで“再現”できるか。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号