1月31日は香取慎吾の42歳の誕生日だったが、この日に合わせ、東京新聞にファンと企業がコラボしたような広告が登場し、香取ファンをはじめ「新しい地図」やSMAPのファンらを喜ばせた。
東京新聞の5段広告で、右側は読者の個人広告欄である「T-Voice!」に14枠の祝福メッセージが掲載され、左側の広告には誕生日ケーキのイラストとともに「香取慎吾さま お誕生日おめでとうございます!」のメッセージが書き込まれていた。こちらの広告を出したのは香取が昨夏からCMに出演するファミリーマートで、澤田貴司社長と社員一同の連名となっている。
朝から話題となり、この広告が掲載された東京新聞が午前中のうちにオークションサイトに出品されるなどしていた。それに対し、東京新聞広告局のツイッターIDの「中の人」がバックナンバーのお取り寄せ方法などをツイートし、関東以外でも入手は可能であることを伝えたところ、「アフターサービスまで」「誠実なご対応」といったコメントが寄せられた。
実は東京新聞の広告局は、SMAPファンとともにこの3年間を歩んできた経緯がある。
元々2016年初頭にSMAPの解散が発表されたが、その後ファンは応援の意思を伝えるべく、ツイッターで連携するなどしてきた。同年8月に年内解散が伝えられると、応援の新聞広告を打とうとする流れも起きた。しかし、さすがにお金がかかる。一方で、新聞には個人でもお祝いなどのメッセージを載せられる個人広告欄を設けているものもあり、東京新聞の「TOK TOK」(当時)は3行500円からだった。ファンが思いを募らせたSMAPのCDデビュー25周年となる9月9日には、その84枠がSMAPへのメッセージで埋まった。稀に見る大量の申し込みにも丁寧な対応をしてくれた、とSMAPファンの間で掲載前から東京新聞が話題になり、9月9日の日を迎えたのだ。他の地方新聞にも掲載はあったが、SMAPの活動存続を願う署名活動終了翌日の11月1日にも、東京新聞にはさらに208枠もの個人広告で「ジャック」された形になった。
その後、メンバーの誕生日がある時なども「TOK TOK」にはファンからの祝福メッセージが多数掲載された。そして、12月30日の朝日新聞では、ファンがクラウドファンディングで資金調達をし、朝日新聞に8面もの広告を出した。2017年、香取、稲垣吾郎(45)、草なぎ剛(44)は「新しい地図」として新たな活動を開始したが、応援してくれたファンへの感謝の気持ちを込め、サイト開設当日の9月22日に東京新聞と朝日新聞に見開き全面広告を出した。この広告は、東京新聞を発行する中日新聞社が2018年4月に発表した「中日新聞社広告大賞」の特別賞を受賞。草なぎが6月の授賞式に登場した。そして2019年の元日には、スクウェア・エニックスが3人を起用した「星のドラゴンクエスト」広告を、同じくこの2紙に見開き全面広告で掲載している。