単なるアイドル騎手なのか、実力なのか……初騎乗のGIが「試金石」となる。
JRA(日本中央競馬会)唯一の女性騎手、藤田菜七子(21)が念願のGIに初騎乗することが濃厚となった。2月17日に行なわれるGIフェブラリーSの出走予定馬・コパノキッキングのオーナーである風水師のDr.コパ氏が「フェブラリーSは菜七子で」と明言したのだ。
菜七子は昨年6月にGI騎乗が可能となる通算31勝をあげている。とはいえ、いまだ重賞未勝利と騎手の腕は発展途上だ。「菜七子はまだGIに乗れるレベルにない」と本誌・週刊ポストで言い切っていた、ダービーを含むGI17勝の元ジョッキー、藤田伸二氏はどう見ているのか。
「若い騎手にチャンスを与えるというオーナーのコパさんらしい選択やとは思うよ。オレもコパさんが馬主になりたての頃、所有馬に乗せてもらって未勝利を勝たせてもらったりしたしね。技術はまだまだ劣るが、乗る馬は強いんやから、いきなり勝ったって不思議やない」
と、意外にも前向きな評価なのだ。菜七子騎乗のコパノキッキングは前哨戦の根岸Sを快勝している。さらに“もしかしたらもしかするかも”と思わせる要因がある。
「他の騎手がJRAやファンに気を使って、菜七子が先頭に立ったら、荒っぽく競り掛けることは避けるんじゃないか。そうすると、飛び出し方によっては勝っちゃう可能性が出てくる。それで競馬関係者が納得するかは別としてね」(藤田氏)
「女性初のGIジョッキー」の称号をファーストチャンスで掴めるか。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号