改元の1か月前となる4月1日、新元号が発表される。巷では次の元号を予想するアンケートが行なわれ、老若男女の関心を集めている。そこで本誌・週刊ポストは元号の専門家や平成に関わりの強い著名人に新元号を“予言”してもらった。東京大学法学部を首席で卒業した元財務官僚で、ニューヨーク州弁護士の山口真由氏。女性が社会進出を果たした平成における、エリートの象徴のような存在の山口氏は、願いを込めて、元号をこう予想した。
「『安久』『泰平』『和平』……新元号の予想には、安定した平和への希求が連なります。これが逆に、不安な世相を反映しているようにも見える。奇跡的な成長を遂げた戦後の日本。だが、この成功体験によって確立した安定を至上とする日本型モデルは、近年急速に軋みはじめている。後世から見て、今後の数十年が日本の岐路となるのではないか。このまま日本型社会を維持しようとするのか、それとも全く新しいものへと脱皮すべきか。
ただ、日本は激動に強い。明治や戦後には類い稀な創造性を発揮し、旧弊を廃しながら世界の価値観を日本の本質に融合してきた。激動を変革の機会に変え、不安な人々の心に灯を、後に振り返った時に歴史の中で光り輝く一つの時代を作り上げていくことはできないか──その願いを込めて『光歴(こうれき)』とします」
●山口真由/1983年北海道生まれ。東大法学部を首席で卒業。元財務官僚。ニューヨーク州弁護士。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号