昭和38年5月創刊の本誌『女性セブン』はこの5月、55周年を迎えます。これもひとえに、愛読してくださる読者の皆様あってのこと。そこで昨夏に「755万円であなたの夢を叶えます!」企画が立ち上がり、5人の読者様が選出されました(1人あたり151万円)。その採用者レポートです──。
◆苦労の多かった母にバラ園をプレゼントしたい
「病気がちのお母さんにバラ園をプレゼントして喜ばせたい!」。その一心で、バラの植え方・育て方を勉強した田村英子さん(37才・東京都)。いざ17種類のバラの苗を、花壇へ。半年後には色鮮やかなバラ園が完成します。
◆「土と花に触ると生きる力がわいてくる!」
「大丈夫? それ、詐欺か何かじゃないの?」それが田村典子さん(78才)が娘から「755企画」の当選を聞いて発した第一声だった。
娘の英子さんが振り返る。
「東京に引っ越す前、北海道に住んでいた頃は、庭で、野菜や花を植えるのが母のいちばんの趣味だったんです。特にバラが大好きで、『いつか好きなバラをたくさん植えた、バラ園を造ってみたい』とよく話していた。だけど、父が倒れてからは、土や植物とは無縁の生活。元気のない母に、もう一度趣味を楽しんでほしかった」
とはいえ、暑さや寒さに弱く、水やりの量を間違えるとすぐに枯れたり腐ったりするなど、バラは育てるのが難しい。そこで、まずは正しい知識を身につけるため、「(公財)日本ばら会」が実施する「資格認定講座」を受けることに。内容は、苗の種類から農薬の散布の仕方まで、専門的。講座に出席した2人は、「座って授業を受けるのは久しぶり。バラの世界って、奥深いんですね」と感嘆の声を上げた。
講座によってプロの生花店に匹敵する知識を得た2人は、いよいよ苗植えへ。母の典子さんは華奢で小柄にもかかわらず、重たい鉢から苗を取り出したり、土をならしたりと機敏に動き回る。
「足腰がしゃんしゃん動くのに、自分でもびっくり(笑い)。これからバラが咲くまで、世話をするのが生きがいになります」(典子さん)
バラが咲くの半年後、2人の満開の笑顔が目に浮かぶ。
※女性セブン2019年2月21日号