平成のグラビア界を席巻した伝説の女神たち。そのブレイクの瞬間とはいかなるものだったか。カメラマン・小澤忠恭氏が小倉優子について言及した。
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彼女と初めて会った第一印象は「影の薄い子だな」。でも、何の気負いもなく、のびのびとしていたどこにでもいる普通の女の子でした。
ところが写真集の撮影が始まると印象は変わりました。何をやらせても一生懸命なのです。「走れ!」と指示すればとにかく全力疾走。こちらの要望に必死に応えることで、何者かになろうとしているようでした。いい意味でその一生懸命さが、どこかちぐはぐでトンチンカンだったのが彼女の魅力だったと思います。
半年に及ぶ撮影の最後の方には、しっかりと「ゆうこりん」の表情を見せるようになりました。天然ともぶりっ子とも少し違う、彼女なりの世界観を確立していたのです。
その後もタレントとして色々ありましたが、私は今も彼女は遠い「こりん星」の住人なんじゃないかと思っているんです(笑い)。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号