子供向けに栄養機能を強化することを目的にした栄養補助食品が人気となっている。「子供サプリ」などと呼ばれるもので、錠剤やカプセル、グミ、粉末などさまざまな形状がある。主にドラッグストアやスポーツ用品店、キッズ・ベビー専門店などで販売されている。一般の健康食品・サプリメント市場全体が前年比0.6%の微減(マーケティング・リサーチ会社インテージ調べ)と苦戦する一方で、子供向けサプリは10%の増加となっている。
子供サプリの目的は多岐にわたり、「身長を伸ばす」「頭がよくなる」「強い体づくり」「目によい」「栄養バランスを整える」「口内環境改善」などさまざま。なんと「集中力を高める」というものまである。とはいえ、商品にはその目的がハッキリと書いてあるわけではない。薬機法(旧薬事法)により、サプリは「効果・効能」を謳うことを禁じられているからだ。
◆強い成分を求め、海外からの輸入品をネットで買う
国内製品より効き目が強力な、海外からの輸入品に手を出す人も少なくない。実は、医師の処方箋が必要な薬も、今やネットを通じて簡単に入手できるようになった。というのも、麻薬などの違法薬物や、重大な健康被害を招く恐れのある一部の指定医薬品以外であれば、「個人輸入」が認められているのだ。
その中には、「仕事や勉強に集中できる」「記憶力が上がる」とされる薬剤も存在する。もとは1990年代に米国の若者に流行したもので、「賢くなれる」ことから「スマートドラッグ」と呼ばれている。
たとえば「ピラセタム」という薬。通常はてんかんや認知症の患者に処方される薬で、脳の血流を改善する働きを持つ。思考力や記憶力にかかわる「アセチルコリン」という神経伝達物質を増大させる効果から、「雑念が消え、勉強に集中できる」との評判で「勉強や仕事がはかどらない」と悩む若者に人気だ。だが、今年1月から個人輸入での入手も規制されるに至った。
脳内伝達物質のドーパミンやセロトニンを増加させる「コリン」「チロシン」なども、一部では人気だった。医療ジャーナリストの解説。
「スマートドラッグというキーワードで検索すると、すぐに商品が見つけられます。値段は1箱30錠から120錠で2000~3000円ほどと、そう高くない。“薬のおかげで集中できたから”とさらに薬に頼る悪循環に陥る場合もあり、大変危険です」
※女性セブン2019年2月21日号