改元の1か月前となる4月1日、新元号が発表される。巷では次の元号を予想するアンケートが行なわれ、老若男女の関心を集めている。そこで本誌・週刊ポストは著名人に新元号を“予言”してもらった。昭和から平成の大事件を題材にした警察小説『東京輪舞』(小学館)を上梓した作家の月村了衛氏は、新元号の候補として「楽思(らくし)」を挙げた。
「宋之問の五言排律『奉和幸長安故城未央宮応制』に含まれる詩句『楽思回斜日』より採った。
楽思とは心中の楽しさの事で、この詩は帝の催した宴会のあまりの楽しさに、寒き世に春の気が発し、傾きかけた夕陽も中天へと戻った様を詠んでいる。思えば平成は『斜日』であった。次の時代は、春のように暖かく、人々が心から楽しく生きられる世である事を願わずにはいられない」
●月村了衛/1963年大阪府生まれ。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。近著は『東京輪舞』。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号