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「経済ヤクザ」という呼ばれ方をヤクザ当人が嫌う理由

ジャーナリストの溝口敦氏

「暴力団の資金源」は実に多岐に渡っている。いったい彼らはどのようにしてさまざまなサイドビジネスに手を伸ばしているのか。「ヤクザ取材」のエキスパート溝口敦氏(ジャーナリスト)と鈴木智彦氏(フリーライター)が明かす──。

鈴木:ヤクザの強みは、悪いやつらからもカネが引っ張れるところ。家庭用のソーラー発電が流行った時に、その発電機につけると電気代が永久に無料になる機械が出来たから、その会社に投資しているって有名な組長が言うんですよ。詐欺にしか思えないんだけど、「大学の先生の証明書がある」とか言ってその組長は何億も投じたんです。結局騙されていたんだけど、組長はその詐欺集団を追い込んで、被害額に何億も加えた金額を“落とし前”として奪った。こういうことは、ヤクザにしかできない。

溝口:もっとも、彼らは自分を騙す人間がいるわけないと思ってるから、よく騙されるんだよね(笑い)。

鈴木:暴排条例を逆手に取るヤクザもいます。俺の知り合いに大手メディアの株を買ったヤクザがいます。本来暴力団は株式市場に出入りできないはずなのに、その株を実際に手にすることができているわけですよ。で、「高値で買い戻せ」とその会社を脅した。「じゃないとお前のところの株を俺が持っているとバラすぞ。報道機関なのにいいのか」と言って、実際に高値で買わせたんです。ほんの数年前の話ですよ。

溝口:一部の賢いヤクザはまだ稼げていて、そういうシノギがうまいヤクザを「経済ヤクザ」と呼びますが、実はこの呼び名をヤクザ自身は嫌う傾向にある。

鈴木:嫌いますよね。武闘派の対義語なんですけど、「凶暴で九州中を震え上がらせた」みたいな表現はいくらでも許してくれるのに、「カネの力でのし上がった」という書き方には嫌悪感を示す。

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