日韓は何かと比較されがちだが、客観性に欠ける一方的な比較も少なくない。では、主観の入らない「データ」をもとに比較してみるとどうなるか。
ここでは暮らしやすさを比較してみたい。米NGOの「社会発展調査機構」が2018年9月に発表した「暮らしやすい国ランキング」で日本は6位、韓国は18位だった。
日韓ともにインフラ整備が評価されているが、治安面では差がついた。刑法犯の認知件数(2017年)は日本の約91万件に対し、韓国は約182万件。韓国の人口が日本の4割ほどの5000万人であることを踏まえると、数字の“高さ”が際立つ。殺人事件の発生率(10万人あたり)も日本の0.28件に対し韓国は0.7件と倍以上である。元韓国大使で評論家の武藤正敏氏が指摘する。
「韓国は激しい競争社会でストレスが多い。若い人は大学を出ても就職できないし、仕事がなければ結婚もできない。自殺率も世界で2位という高さです。韓国では日本よりも退職が早く、社会保障も十分ではないので、高齢者が生活苦で自殺するケースが多々ある」
航空や鉄道などの交通インフラで比較すると、時間の正確さで差がついた。航空情報調査会社のOAGが発表している「時間に正確な空港ランキング 超大型部門」で、羽田空港が世界1位(2017年)になった。韓国は20位に仁川空港が入っている。
食の分野でも格差はある。韓国グルメは日本でも人気だが、2019年版のミシュラン掲載店数は日本が本家フランスをも上回る世界一の230店に対し、韓国は26店だった。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号