2月に入ると日本列島は観測史上最大級の寒波に襲われ、東京都心でも粉雪が舞った。本稿の撮影・執筆にあたっても予定された空撮が順延になるなど少なからず影響を受けたが、幸いにも新国立競技場周辺に積雪はなく、工事は順調に進む(2月12日撮影)。
屋根の大庇は完成し、47都道府県の木材を使った軒庇も7割が完成している。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「この1か月で、西側(上方)に残っていた屋根工事が完了、楕円状につながり、完成予想図に近づいてきました。
屋根を支える柱が一部並んでいますが、近く撤去される予定です。その下の1階座席部分に見えるのは、施工会社・大成建設の看板ですね。南東側(左手)の屋根には、ガラス板がはめ込まれました。この天窓によって、フィールドの芝生に効率よく太陽光を導くことができます。
クレーンは最も多い時期で26台稼働していましたが、ご覧の通り台数が目に見えて減ってきました」
完成まで残り9か月。3月にはフィールド工事が始まる予定だ。
撮影■小倉雄一郎
※週刊ポスト2019年3月1日号