1月27日、衝撃の記者会見が行われた。国民的アイドルである嵐が、2020年いっぱいで活動を休止することを発表したのだ。5人それぞれが、自分の言葉で自分の思いを語った彼ら。ショックを受けながらも、メンバーがどれだけ嵐を大事にしているのかをファンは改めて知るに至った。
1999年のデビュー以来勢いに乗る嵐は、松本潤(35才)が『花より男子』(TBS系・2005年)で大ヒット、二宮和也(35才)が2006年、クリント・イーストウッド監督(88才)による米英が『硫黄島からの手紙』でジャニーズタレント初のハリウッドデビューを飾った。櫻井翔(37才)は、2006年に報道番組『NEWS ZERO』(日本テレビ系)の月曜キャスターに就任。
2007年4月にはグループ初となるドームコンサートを大阪と東京で開催。2008年には大野智(38才)が『魔王』(TBS系)で、2009年には相葉雅紀(36才)が『マイガール』(テレビ朝日系)でそれぞれドラマ初主演を果たし、メンバー全員が名実ともにトップアイドルの仲間入りをした。
明治大学法学部非常勤講師の関修さんが言う。
「先にブレークした3人が嵐を引っ張り、後から大野くんと相葉くんが新しい個性とともに躍進に加わりました。とてもスムーズに全員がブレークしたのは、“グループの顔”として君臨するメンバーを作らず、つねに5人が横並びのままでいたからでしょう。今や、かつては松本潤(35才)くんが嵐を引っ張っていたと知って驚く生徒もいるほど、『嵐は平等』が常識となりました」
大ブレークとともに楽曲も進化していった。音楽ジャーナリストの柴那典さんは、アーティストとしての嵐を高く評価する。
「2010年前後から、嵐はアルバムや楽曲のコンセプトを人に任せるのではなく、自分たちで話し合って決めるようになりました。そのため彼らの楽曲は他のアイドルのように歌って踊れるだけでなく、クールで表現力豊かな楽曲になっています。
さらに、アルバムのコンセプトを、松本さんが演出、大野さんが振り付け、櫻井さんがラップと各自役割を持ってコンサートに落とし込んでいる。ぼくも嵐のコンサートで彼らの濃厚な世界観とメッセージを感じ取りましたが、多くの人にその“クールさ”が受け入れられたということでしょう」
嵐のコンサートといえば、有名なのが、2005年のコンサートツアーで初披露された「ムービングステージ」だ。音楽ジャーナリストの柴那典さんはこう言う。
「透明のアクリル板のステージにメンバーが立ち、ステージごとファンの頭上を通過していくんです。今では他のアーティストのコンサートでも当たり前のように使われていますが、もともとは松本さんが、お客さんに近づく演出をするために考案したものだそう。“ファンに自分たちの思いを届けたい”という彼らの思いが表れています」
2010年には史上初となるグループでの『NHK紅白歌合戦』の司会も務めた。アイドル評論家の中森明夫さんはこう語る。
「紅白の司会は従来のファンだけでなく熟年層にもアピールできます。この時、嵐が真の“国民的アイドル”になったことを万人が認めたはずです」
※女性セブン2019年2月28日号