“うなぎと梅干し”は江戸時代から伝わる“共演NG”食品の元祖。しかしこれは「高級品と粗食を交ぜてはいけない」という戒めからくる迷信だそう。では、本当に避けるべきものは? 最新研究でわかった、食べ合わせについて報告する。
■食物繊維×炭酸
薬やサプリメントだけでなく、「体にいい」とされる食べ物や飲み物でも、組み合わせ方を間違えると効果が激減する。
管理栄養士の望月理恵子さんが解説する。
「きのこや海藻といった食物繊維は、もともと胃での停滞時間が長い。そのうえビールやサワーなど炭酸飲料と一緒に摂るとさらに停滞時間が長くなり、鉄やカルシウムといったミネラルやビタミンなどの栄養素が体内で吸収されづらくなります」
■かき×玄米
今が旬で、ミネラルをたっぷり含んだかきも、食べ合わせに注意が必要だ。
「玄米に含まれるフィチン酸には毒素を排出する“デトックス効果”が期待できる半面、かきの持つ栄養分であるミネラルも一緒に体外に出してしまう」(望月さん)
つまり「体にいいから白米より玄米」は、必ずしも正解ではないということ。知らず知らずのうちにやっているかもしれない、危険な食べ合わせやのみ合わせ。防ぐにはいったいどうすればいいのか。
「これだけたくさんの食品がある中で、すべての“食べ合わせNG”を把握しようとするのは難しい。だからまずは、自分が食べている食品に、どんな栄養素が含まれていて、どんな働きをするのか、興味を持ってほしい」(望月さん)
『知らないと怖いクスリと食品の危険な関係!』などの著者で薬剤師の堀美智子さんは「かかりつけの薬剤師をつくることも大事だ」とアドバイスする。
「違う病院にかかっても、薬局を1か所に決めておけば、薬ののみ合わせもきちんとチェックできます。そしてその薬剤師を質問攻めにしてください(笑い)。薬は本当にたくさんの種類がありますから、現役の薬剤師でもその場では答えられないこともあります。その時、『調べておいてね』と言ったら、きちんと調べてくれる人をかかりつけ薬剤師に選びましょう。もちろん“モンスター患者”では困りますが、諸外国では、うるさい患者ほど治りが早いというデータもあるのです」
まずは「おくすり手帳を持って薬局へ」が正解のようだ。
※女性セブン2019年2月28日号