ライフ

白血病の抗がん剤治療 16歳時の経験者が語る辛い無菌室生活

日本中が病気の克服を祈っている(共同通信社)

 水泳の池江璃花子選手(18)の白血病公表は、世間に衝撃を与えた。白血病は“血液のがん”と呼ばれる。血液をつくり出す造血幹細胞に異常が起き、がん化した白血球(白血病細胞)が増殖する病気だ。「急性」と「慢性」の2種類があり、急性が7割、慢性が3割だという。さらに、それぞれ骨髄系幹細胞に異常が起きる「骨髄性」とリンパ系幹細胞で起きる「リンパ性」がある。

 白血病と診断されると、基本的には抗がん剤治療に移ることになる。新潟県立がんセンター新潟病院の内科・血液・化学療法臨床部長の張高明医師が解説する。

「大腸がんなどの固形がんとは違い、血液のがんの場合には、抗がん剤治療の臨床効果は確立されていて、どの抗がん剤を組み合わせて使用するかもはっきりしています。

 骨髄性の場合は1週間から10日ほど、リンパ性で2か月ほど『寛解導入療法』と呼ばれる抗がん剤治療を行ないます。これで白血病細胞はほとんどなくなる。正常な造血細胞もすべてなくなりますが、その後1~2週間で正常な造血細胞が増え始めます。

 1か月ほど経ったら、また入院して残った白血病細胞を根絶やしにする『寛解後療法(地固め療法)』という抗がん剤治療を行ないます。これを何度か繰り返し、個人差はありますが、治療には半年以上かかります」

 白血病の抗がん剤治療といえば、免疫力が著しく下がるため、感染症対策として無菌室に入院することが基本となる。経験者からすると、これが最も辛いものだったという。

 16歳で急性リンパ性白血病を発症したNPO法人わたしのがんnetの共同代表、羽賀涼子さん(48)は、32年前の治療体験をこう語る。

関連記事

トピックス

タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)
《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン