テレビをつけても、ネットを見ても、はたまた電車の中やお店でも…何だか窮屈に感じたり、「そこまで必要!?」と思うような過剰サービスに遭遇したりすることが最近多くありません? “和を以って貴しとなす”がわが国の美徳だったのに、見回せば不寛容や過干渉、過剰反応ばかり──。このイヤ~な雰囲気、どう思いますか?
『座っている二宮金次郎像』や『貫一お宮像』などについて、「これらは、ニッポン社会の雰囲気がかつてと変わってきたことを示す象徴的なもの」と指摘するのは、クレーム対応の専門家で『キューブ ルーツ』代表の津田卓也さんだ。
「二宮金次郎の座った像が登場し始めたのは、薪を背負い歩きながら本を読む姿が“歩きスマホ”や“児童労働”を連想させる、とのクレームからです。
また、熱海の海岸にある小説『金色夜叉』の名場面を描いた“貫一お宮像”も、男性が女性を足蹴にするDVの像だ!とのクレームで、熱海市が対応を迫られました。原作者の尾崎紅葉もさぞびっくりしたことでしょう」(津田さん)
そんなご時世に、新潟県燕市の国上寺では昨年より「ネット炎上」を供養するお焚き上げを始めたという。
平成末期のニッポンは、些細なことにカリカリして“炎上”に揺れる時代となってしまっている。おもてなしの国といいつつも、実は人への優しさが足りない社会。このままでいいのだろうか…。
※女性セブン2019年3月7日号