二宮金次郎の座った像が登場し始めたのは、薪を背負い歩きながら本を読む姿が“歩きスマホ”や“児童労働”を連想させる、とのクレームから。他にも、『金色夜叉』の名シーンを再現した熱海の“貫一お宮像”も、男性が女性を足蹴にするDVの像だ!とのクレームが…。
元国連専門機関職員であり、『不寛容社会』の著者でもある谷本真由美さん(@May_Roma)が、日本社会の雰囲気が変わったと感じたのは、2011年に起きた東日本大震災から1~2年してからだという。
「私は海外と日本を往復して20年暮らし、今は日本とイギリスとを行き来していますが、そのあたりから、全体的に暗い感じのギスギス、イライラした人が増え、SNSで芸能人の不倫などを『許せない』とたたく数も、ねちっこさも増えたように思います。
私のブログやツイッターに、日本人の個人相談が増えたのもその頃で、理由は年金が減って物価が上がり、言い知れぬ将来への不安を抱える人が増えたからだと思います」(谷本さん・以下同)
特に、日本人の不寛容さを強く意識したのは、女性芸能人の不倫謝罪会見だという。
「若い女性が男性を好きになっただけなのに、テロリストのような扱いで、連日トップニュースになり、何日もたたかれる。英国でもパパラッチはいるし、みんなセレブのゴシップが好きですが、もうちょっと面白がったり、ブラックジョークのセンスがある。
ネットへの書き込みも英国は実名が普通で、EU離脱問題があるにもかかわらず、匿名で書き込む日本ほどヒステリックではありません。今の日本人は、もっと余裕を持ち、ユーモアを学ぶべきだと思いますね」
※女性セブン2019年3月7日号