トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したことが当のトランプ氏から“暴露”され、「そこまで媚びるのか」と批判を浴びている安倍晋三首相。本人は「(推薦が)事実ではないと申し上げているのではない」と微妙な表現でコメントを避けているが、遠くノルウェーから“援軍”が現われた。
トランプ氏をノーベル平和賞に推薦したと明言する同国の前法務大臣、ペール・ビリ・アムンセン氏だ。
「私は安倍首相の行動を支持する。トランプ大統領が朝鮮半島の緊張緩和に貢献したことは疑いようもなく、その外交努力は当然評価されるべきだ。なぜ彼を推薦した安倍首相が日本で批判されているのかまったく理解できない」
ノルウェーでは、アムンセン氏ともう1人の国会議員がトランプ氏を推薦したことが明らかになっている。2人とも、同国の極右政党として知られる進歩党の議員だ。アムンセン氏とトランプ大統領にはこんな“共通項”があった。
「ノルウェーは移民・難民の受け入れに比較的寛大な国家ですが、アムンセン氏ら進歩党は移民排斥を強く主張している。法相時代の2016年秋には、不法移民の流入防止策として、ロシアとの国境検問所付近に高さ3メートル、全長200メートルのスチール製の壁を建設させました。メキシコとの国境に壁を建設しようとしているトランプ氏と政策が重なり合うのです」(在欧ジャーナリスト)
まさに“類は友を呼ぶ”!? アメリカの言いなりで“右向け右”の安倍首相は、いささか後ろめたそうだが、2月末に2度目の米朝首脳会談に臨むトランプ氏は、どちらを“同志”と認めるのだろうか。
※週刊ポスト2019年3月8日号