人間の夫婦に比べて、圧倒的に離婚率が低いと言われるのが、マゼランペンギンだ。東京・墨田区の『すみだ水族館』では、現在58羽のマゼランペンギンが暮らしている。そのうち、確認されているカップル数は19組。なんと約半数ものペンギンが愛を育み合っているという。
マゼランペンギンは、身長は約65~70cm。体重は約3~6.5kgの中型ペンギン。メスの方がオスよりやや小さめ。頭頂部から背中、フリッパー(翼)は黒く、腹部は白色でところどころに黒い斑点がある。ピンク色の目元と正面を向いた時に見える胸の黒い2本のラインが特徴的。
もともとはアルゼンチンやチリなど南米の広い地域に生息しており、かなり暑い地域でも生活する場合があるため脂肪の量は比較的少なめ。『すみだ水族館』では常時20℃前後の水温で飼育をしている。野生のマゼランペンギンの性格は攻撃的といわれているが、『すみだ水族館』のペンギンたちはいたって穏やか。
ちなみに、名前の由来はポルトガルの航海者、フェルディナンド・マゼランから。マゼランが海峡を航海中に発見したことからこの名前が付けられた。
◆まぁるいフォルムでスイスイ
泳ぎが得意なマゼランペンギン。その秘密は丸い体形にあるといわれている。体のあちこちに出っ張りがあると水の抵抗が大きくなって水中での動きが鈍くなってしまうが、ペンギンはイルカなどと同じ流線形。水の抵抗を小さくした泳ぎに適したフォルムとなっている。
水の中ではまるで空を飛んでいるかのごとく華麗な泳ぎを見せ、陸に上がるとペタペタ歩き、愛らしさを醸し出す。そんなギャップも人気の理由。勢い余った時にはジャンプをしながらのスゴ技、「イルカ泳ぎ」も披露。そもそもは野生で暮らすペンギンが敵から逃げるために身につけた泳ぎ方なのだという。
写真協力/「すみだ水族館」
※女性セブン2019年3月14日号