ビジネス

iPhoneに真っ向勝負挑むGoogleスマホ 廉価版登場への期待値

Google純正スマホの「Pixel 3/Pixel 3 XL」(写真/時事通信フォト)

 グーグルが昨年10月より発売しているスマートフォンの「Google Pixel 3」と大きな画面の「Google Pixel 3 XL」は、当初、対iPhoneの本命とも目されていたが、今のところiPhoneの牙城を崩すまでには至っていない。だが、早くもPixelシリーズの廉価版が出るとの情報が駆けめぐり、俄然注目度が高まっている。経済ジャーナリストの河野圭祐氏が“グーグルスマホ”の可能性についてレポートする。

 * * *
 Pixelはグーグル純正スマホの名称だが、すぐにはピンと来ない人が大多数かもしれない。初めて市場投入したのは2016年だったが、同年と2017年は日本では販売されず、ようやく第3世代のPixel 3/Pixel 3 XLが日本にお目見えしたのは、まだ昨秋だからだ。SIMフリー端末のほか、通信キャリアではNTTドコモとソフトバンクが扱っているが、「売れない」と判断したのか、それとも他の理由でかKDDIでは扱っていない。

 実際、Pixelは商業的に成功したとは言えない。何よりも、価格が高いからだ。

 価格レンジはおおよそ9万円~13万円。グーグルは、アンドロイドOSを搭載した低中価格帯端末は中国のファーウェイや台湾のエイスースなどに任せ、純正スマホは、ライバルであるアップルのiPhoneと真っ向勝負を挑む高価格帯に戦略変更した。その起点が、2016年から投入したPixelだった。

 Pixel名のグーグル純正スマホは、2015年まではNexusと名乗っていた。その名称が日本でもそこそこ浸透したのは、2012年に登場したタブレットのNexus 7(生産はエイスース)と、翌2013年に出たスマホのNexus 5(生産は韓国のLG)以降のこと。両機種とも平均以上のスペックを持ちながら、当時としては低価格で登場、格安SIMカードやSIMフリー端末の黎明期とも重なって、それなりの販売実績を収めた。

 Nexusのスマホに関して言えば、2014年に出した6インチのNexus 6(生産は中国のモトローラ)でかなり価格が上がり、2015年は中価格帯で5.2インチのNexus 5X(同LG)、高価格帯で5.7インチのNexus 6P(同ファーウェイ)と2機種を出したが、いずれも販売的には不発に終わった。そこで、2016年からPixelと名称を変え、iPhoneとの勝負に出たのだ。

 だが、スマホは年々コモディティ化の色彩を強め、デザインや機能面での差別化も限界に近づいてきたこと、それでいて価格は相対的に上昇傾向になったことも相まって、iPhoneでも販売が低迷し、アップルも売上げの下方修正に追い込まれている。

 そんな折、Pixel 3とPixel 3 XLに今年、廉価版機種が登場する見込みだという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《巨人V9の真実》400勝投手・金田正一氏が語っていた「長嶋茂雄のすごいところ」 国鉄から移籍当初は「体の硬さ」に驚くも、トレーニングもケアも「やり始めたら半端じゃない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
フランクリン・D・ルーズベルト元大統領(写真中央)
【佐藤優氏×片山杜秀氏・知の巨人対談「昭和100年史」】戦後の日米関係を形作った「占領軍による統治」と「安保闘争」を振り返る
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン