2007年に中国製の冷凍餃子を食べた日本人10人が食中毒を起こし、中国産食品への不安が一気に高まった「冷凍餃子中毒事件」。あれから10年以上経った今も、中国産食品を嫌う人は少なくない。現状はどうなのだろう。食品問題評論家の垣田達哉さんはこう話す。
「日本に輸出する中国産食品は、中国でも日本でも注意深く検査されています。とはいえ、日本の検疫所で検査されるのは、総輸入量の8%程度。不安がないとは言いきれません」
食べてすぐに食中毒が起こるようなことはほとんどないというが、毎日のお弁当にも多用する冷凍食品は長年食べ続けることも考えると、国産の食材を使用し、国内工場加工の商品を選びたい。
だが、国産だからといってひとくくりに安心はできない。冷凍食品の長所はマイナス18℃以下で保存するため、保存料が不要な点にあるが、食感や風味を損ねないよう添加物が過剰に使われやすい。
その中でも食品ジャーナリストの郡司和夫さんは、「『加工でんぷん』に気をつけてほしい」と話す。
「冷凍食品の総菜や揚げ物によく使われる加工でんぷんは、人工的に作られたでんぷんです。細かく11品目に分けられますが、そのうち『ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン』『リン酸架橋デンプン』の2品目は、欧州食品科学委員会(SCF)で発がん性があるとして、幼児用食品への使用が禁止されています。日本の原材料表示では、すべて『加工でんぷん』と一括表示されているので、見分けることができません」
たとえば、ニチレイの「ほうれん草バター炒め」は、すべて国産の食材を使い、添加物も一切入っておらず、冷凍保存の本来の役割を果たしている。
さらに特筆すべきは、「セブンプレミアム」の優秀さだ。「セブンプレミアム」のチルドパック総菜の半数以上が余計な添加物を使わずに作られている。
「添加物を使わなくても加工食品を作ることができるということを証明した、とてもいい事例です」(垣田さん)
たまには食卓を手軽にコンビニで済ませても、おいしく安心して食べられるといえそうだ。
※女性セブン2019年3月14日号