今まで当たり前だと思っていた調理法や、「おいしくなる」と信じ込んでいたワザは実は間違いだった!? 「おいしい」を科学する料理科学研究家・水島弘史さんが、ステーキの焼き方に関する新常識を伝授します。
【料理科学研究家・水島弘史さん】
フレンチの経験を活かした料理教室は、日本一予約が難しいといわれる。『読むだけで腕があがる料理の新法則』(ワニ・プラス刊)他、著書も多数。
◆ステーキはオーブンで焼く
「オーブンレンジはあるけれど電子レンジ機能しか使っていない、という方が多いようですね。オーブン調理は熱した空気でゆっくり加熱するため、食材のダメージが少なく、ステーキやロースト料理に最適。ぜひ活用してください! 家庭用の小さいオーブンは、天板からの熱が強すぎて表面だけが焦げることがあるので、設定温度を120〜130℃の低温にすること。そうすれば時間をかけても肉がパサつかず、確実においしく焼き上がります」(水島さん)
【正確に130℃に設定し、低温で焼く】
低温でオーブン加熱すると、急激に温度が上がらないので、肉が硬くならない。扉の開閉などで庫内の温度が下がりやすいので、予熱時間にプラス10分するか専用の温度計で正確に測ること。
【肉は網に置き、オーブンの下段に入れる】
肉を脚つきの網にのせると底からの熱が直接伝わらず、火の通り方が緩やかに。オーブンの下段を使うことで庫内の熱が対流して加熱がより緩やかになり、軟らかく仕上がる。
【焼き色は仕上げにフライパンでつける】
最初に表面を強火で焼いてしまうと、肉が縮んで硬くなる。火が充分通ってからフライパンの強火で表面のみサッと焼くと、香ばしさと焼き色が加わり、おいしさアップ。
●おいしく仕上げるポイント
【焼く前に油を塗ってパサつき防止】
肉を油で覆うことで、火の通りが緩やかになる。さらに焼いている間に表面が乾燥するのを防ぐので、しっとり仕上がる。
【表面が灰色になってきたら、焼き上がりのサイン】
表面全体が灰色になったらミディアムレアの目安。肉を反転させ、さらに5分程焼いて取り出す。
【アルミホイルで保温し、肉を休ませる】
焼き上がったらこしょうを振り、全体をアルミホイルで覆う。5分程置くと肉汁が落ち着き、切っても溢れ出なくなる。
※女性セブン2019年3月14日号