豊洲市場が開場してから、間もなく5か月を迎える。築地から約2.3キロ南に移転した新市場は今、どうなっているのか。
移転直後は渋滞など混乱もあったが、現場で働く人々は試行錯誤しながら順応していた。プロの現場をよく知らない人は、「昔ながらの築地がよかった」とつい比べてしまう。だが、魚河岸の人々は前を向く。文久元(1861)年創業のマグロ仲卸「樋長」の8代目、飯田統一郎社長が、豊洲市場の強みを説明する。
「東京都がセリ場などに最新鋭の設備を整え、衛生面も機能面も格段に向上しました。世界で戦える市場になったと思います」
たとえば、建物は外気や温度変化の影響を受けにくい閉鎖型の構造で空調を完備している。
「人がいて魚があるところが市場として成長していくのです。築地市場はすでに思い出。ここ豊洲が僕らの市場です。いかによくしていくか、頑張り甲斐もあります」(同前)