人間の離婚率が高いとはしばし言われることだが、マゼランペンギンの離婚率はなんとわずか3%前後! 卵を産むたびに夫婦の絆は強くなるといわれている。だが、そこに至るまでの恋愛事情は人間と同じように悲喜こもごも。そんなペンギンたちの恋の裏話を、現在58羽のマゼランペンギンが暮らす東京・墨田区の『すみだ水族館』の飼育スタッフに教えてもらった。
老いてなお盛んな絶倫夫婦、“すみだのビッグダディとビッグマミー”と呼ばれるのはカリン(♂)とカクテル(♀)だ。
結婚歴はおよそ7年。『すみだ水族館』で初のパパ&ママカップルとなったのが、カリン&カクテル。
「この7年で、ふたりの間には5羽の子供が生まれました。年齢でいうと15才ぐらいですが、今でも絵に描いたようなアツアツぶり。夫婦愛の絆は太く、繁殖ルーム(ブリーディングルーム)でも若い子に負けず劣らず、相変わらずの精力の強さを発揮しています」
最初の産卵の時はパパとなる緊張感からか、卵をう~んと産み落とそうとしている妻の背中に、せっせとわらをのせていたというカリン。新米パパのオタオタっぷりに、固唾をのんで見守っていた飼育スタッフも観客も思わずほんわか~。
「どちらかというと、かかあ天下。カクテルに叱られている光景もよく見かけますが、お小言を言われていても夫のカリンはどこか嬉しそう。岩の上を歩く時も、後ろをついてくる妻を気遣って立ち止まって待つなど、やさしくて男らしい姿に、惚れ惚れしちゃいます」
純粋な夫婦愛から気まぐれで大胆不敵な不倫まで。人間もタジタジとなるほどの繊細で個性豊かな恋模様が繰り広げられる『すみだ水族館』のペンギンゾーン。
「カップルたちの姿を楽しむなら、夕方5時頃に行くのがおススメです。晩ゴハンを食べ終わった後、それぞれ意中の相手と一緒にお気に入りの場所でぴったり寄り添い合うカップルたちがたくさん見られますよ!」
※女性セブン2019年3月14日号