雅子妃殿下のご体調は、近年、劇的に回復している。背景には着実に準備されてきたご努力と、皇后になられることへのご覚悟があるという。ジャーナリスト・友納尚子氏がレポートする。
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5月に皇后陛下になられる雅子妃殿下。ご療養が16年に及び、現在も続いていることから、果たして皇后として務められるのか、という疑問の声がないわけではない。
しかし、そんな心ない言葉を払拭するように、雅子妃のご回復は3年前から大きく上向かれている。
2016年夏に天皇陛下の生前退位のご意向が発表されてから、美智子皇后陛下の最後のお務めにどうしてもご一緒したいと雅子妃は願っていたと聞く。その思いが、ご回復を促したのだろう。
昨年5月の日本赤十字社の全国大会もその一つで、名誉総裁を務められている皇后の最後のご臨席だった。雅子妃は実に15年ぶりにご出席されたのだった。そして、一つのドラマが見られた。
皇后が式典の最後に挨拶を終えられると、後ろで待機されていた雅子妃に向かって声をかけられた。はにかみながら笑顔で応えた雅子妃は前に出て、次期名誉総裁となる紹介を受けられた。会場は、割れんばかりの拍手で溢れていた。
雅子妃にとって、両陛下の存在は大きい。昨年12月の55歳の誕生日に際して発表された文書には、両陛下への思いが記されていた。